脳は「想像と現実」「現在と過去」「自分と他人」の区別が出来ない
黄色いレモンを包丁で半分に切りました。切ったと同時にレモンの酸っぱい香りが周囲に立ち込めます。その半分に切ったレモンを自分の口元に持っていき、ギューっと絞る…
想像出来ましたか?実際にレモンがここにある訳でもないのに想像しただけで唾が出てきますよね?
簡単に言うと…脳は想像と現実を区別していないということです。
つまり想像することで、脳は「実際にレモンを口元で絞っている」と認識してしまい唾が出てきてしまうのです。
同じように脳には時間の認識がありません。これももっと簡単に言えば、脳は過去・現在・未来の区別がつかないのです。
例えば過去の楽しかった出来事を思い浮かべると、なんだか心がほっこりしたり、表情が緩んだりすることがありますよね?これも脳が「いま、それが起きている」と認識するために、そのような身体の状態になるのです。
さらに言うと、脳には主語という概念がありません。つまり脳は本来他人と自分の区別がつかないのです。
とはいっても…想像と現実の区別を当然ながら理性では理解はしています。
あなたが何かをしている時に、「これは現実なのか?ん?想像の中?夢?」とはよほどのことがない限りなりませんよね?(笑) 「これは現実ではなく、想像だ」と理解しながら想像しているのですから…
でも、レモンの時のように体は勝手に反応してしまうのです。
実は、過去と現在、想像と現実、他人と自分の区別が出来ないのは脳の本能的な部分です。厳密にいえば脳の中でも奥の方にある「大脳辺縁系」と「脳幹」がそれに当たります。
この部位が、現実なのか想像なのか…過去なのか現在なのか…自分なのか他人なのかの区別をせずに、真っ先に本能的に反応します。
これは理性では「違う」と認識していても、本能では「そうだ」と認識しているということです。
で…勝利するのは当然ながら本能です。
自業自得の科学的な仕組み
そうなると、脳の本能的な部位は現実なのか想像なのか、過去なのか現在なのか、自分なのか他人なのかの区別をせず、全てを「それは現在起きている真実である」と認識する、ということになりますよね?
このメカニズムを考えた場合、例えばこんな場合はどうなると思いますか?
「あのバカ!めっちゃむかつく!いつか絶対にやっつけてやる!」なんて四六時中考えていたら、脳は本能的にはどう認識するでしょう?
「私はバカでムカつく存在。そしていつか私はやっつけられる」と脳が勝手に認識することがお分かりですよね?
脳の本能的な部位は自分と他人の区別がつかないわけですから「自分自身がそうだ」と認識するはずです。そして認識しているということはそれを意識しているということになります。
なので、量子の状態もそうなる確率が高まる方向で確定し続ける…という現象が起きることになります。
これがことわざでいうところの「人を呪わば穴二つ」であり、自業自得ということになります。
結局のところ、自分の意識や言動、行動の振る舞いがそのまま自分自身に返ってくるということです。
ということは…判りますよね?逆のバージョンも機能することになります。
他人の素晴らしいところを見つけ、それを素直に褒め、認め、尊重すれば自動的に「自分がそうだ」と脳が勝手に本能的に認識するはずです。
そうすれば、自分の状態も素晴らしく、褒められ、認められ、尊重されるよう量子の状態が確定していく…すなわち自分にとっても望ましい現実が実現していく…ということになりますよね?
知らないうちに他人のアラを探して文句を言ったり、バカにしたり、批判したり…このメカニズムを理解したら今日を限りに辞めてしまいましょう(笑) 他人への妬み・恨み・辛みで自分自身の墓穴を掘らないようにしてください。
代わりにいい意味での「自業自得」をやっていきましょう。それが結局、他人にとっても自分にとっても素晴らしい人生へベクトルの方向を向けてくれることになります。
一般的によく耳にするネガティブな言葉を吐かずにポジティブシンキングを心掛けるということもこれらのメカニズムで説明がつきます。言葉には「言霊」と言われるようにパワーが秘められていますので、特にネガティブな口癖はやめましょう。
「私の周りにはろくな人が居ない!」と嘆く方の場合も同様です。自分自身の普段の言動・行動を振り返ってください。
綺麗な花の周囲には蝶々が舞います。ウンコにはハエが集ります。
自分の周囲にハエが多いと思うのならば、自分がウンコなのです。
周囲に蝶々が欲しければ、自分が魅力的な花になりましょう。